top of page
  • 執筆者の写真sendaigreenassocia

キャンパーの難敵

 前回の記事の最後にお知らせしたように、今回はキャンパーにとっての難敵である「風」についてのお話となります。

 今年の夏は例年以上に台風の発生・上陸が頻発しており、しかも、週末にかけて仙台に近づいたことなどもあり、急遽の予定変更を強いられたキャンパーさんも多かったのではないでしょうか?


 当キャンプ場でも台風接近が予想される中、予約された方々へのご連絡(風への備え、キャンセルした場合でもキャンセル料はかからないことなど・・)をさせていただきました。また、お泊りになられた方々には、身の危険を感じた場合はご自身の車に避難するよう注意喚起いたしました。

※平常時は駐車場での車中泊はご遠慮いただいています。

 結果としては、台風の予想進路がそれたため、利用者、施設ともに大きな被害はありませんでしたが、今後訪れる台風シーズンに向けて、キャンパーとしての備えについて書かせていただきます。


 台風に限らず、強風時にまず気を付けることは、テント・タープの倒壊です。ここからは私の実体験。まだ私がソロキャンプを始めるはるか以前、子どもを連れてキャンプに行った時の話です。場所は仙台市の山すそにある某キャンプ場。日中から夜にかけてはほぼ無風。当時の私は今ほどのスキルは無く(今でも大したスキルはない)、設営したドーム型テントにはガイロープも張っていませんでした。← アウト


 夜も更け、完全に就寝していた時(夜中の3時頃)にソレは来ました。山から吹き下ろす突風により、テントがあり得ないくらいに歪み、荷物や自分たちの重みにより辛うじてテントが飛ばされない状態でした。テントの外では、張ったままにしていたタープが風の勢いで引き裂かれ、鉄製のポールも破断。キャンプ道具はあちこちに飛ばされており、行方が分からなくなった道具も・・・


 テントの倒壊を防ぐため(買ったばかりのテントだったので壊れてしまうのが嫌だった)、自分は強風の中、必死にポールを支えていたことを鮮明に覚えています。※子どもはテント内で爆睡中

 およそ、1時間ほど悪戦苦闘したあと、風の勢いは弱まり、さっきまでの暴風がうそのような静寂が再び訪れました。


 この時感じたのは、「自然の中では人間はあまりに無力であること」「子どもとのキャンプでありながら、しっかりとした対策を行わなかったこと」を痛感。実際の被害でいえば、タープ(修理不能、捨てるしかない)、転倒によりランタンのホヤが割れたことなどで、人的被害が無かったことが不幸中の幸いでした。


 それでは、予期せぬ強風に対する備えはどうすべきか、私なりにお伝えします。


① 強風・暴風警報が出された場合はキャンプ自体をあきらめる。

 身もふたもない話で申し訳ありませんが、場合によっては勇気ある撤退も必要。ただし、キャンプを始めたばかりの頃は、どのような危険性があるかといった「危険予知力」は養われていないため、判断に迷うこともあるかと思いますが、決して無理をしないことが肝要です。平均風速5m/sを超える場合、キャンプはあきらめたほうが無難です。


② ガイロープ(張綱)、ペグはとにかく入念に。


 私の体験談でも触れましたが、ガイロープは手間と感じても、説明書どおりしっかりと張ることが重要。その時点では風がなくても、急な突風はいつ何時発生するかわかりません。また、使用するペグはしっかりとしたもので、最低でも24センチはあったほうが良いかと思います。テントに付属しているものはあくまでもオマケ程度に考えていたほうが良いかも。下図にてガイロープをさらに強固に張る方法を記載しますので、ぜひご参考に。


     三角打ち

二本のペグを打つことで、引っ張る力を分散させることができるため、風に対する強度がアップする。







     横から見た図

ペグの角度は地面から約45°が基本です。打ち込みの深さは最低でもペグの3分の2以上。ペグの素材は固い地面にも耐えうる鍛造製ペグがおススメ(ペグの重量と堅牢性はトレードオフです)


 また、ペグの打ち込みが甘い場合、強風によりペグ自体が引き抜かれる危険性があります。抜けるだけならまだしも、風であおられたペグがテントやタープを引き裂いたという事例もございます。さらには付近にいる人の身体にも危害を与える可能性があり、先が尖ったペグは場合によって凶器にもなりうるため十分な注意が必要です。


③ 飛ばされる恐れのあるものはテント内へ。また、強風時の焚火には十分な注意を。

 強風により飛散する可能性がある細かな道具、ごみ袋などは飛散防止の対策を取りましょう。私が経験した暴風では、お気に入りのビンテージランタンのガラス製のホヤが粉々に割れてしまい、しかも、同じものを入手することが困難であったため、泣くに泣けない心境でした。また、強風時の焚火については、別記事でも書かせていただきましたが、炎の延焼や山火事、風により舞った火の粉がテントに穴をあけてしまう危険性を孕んでいます。自分のテントならまだしも、隣のサイトのテントだった場合はトラブルの原因ともなります。最近では非常に高価なテントを使用しているキャンパーさんも見受けられますのでご注意を。


 その他、テントの入り口は風下にする、タープを張る場合は普段より低く立てる、ガイロープは遠く、長めに張るなど、いろいろと注意する点がありますので、今回の記事が少しでも参考になればと思います。


 最後に! キャンプはあくまでも「あそび」です。危険を冒してまでも強行するものではありません。こういったことを踏まえて、楽しいキャンプを!!


雪中キャンプの場合もガイロープはしっかりと張りましょう。雪の重みはあなどれん。新川のキャンプ場にて・・・

 

閲覧数:226回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Kommentare


bottom of page