キャンプと野生動物
- sendaigreenassocia
- 6月26日
- 読了時間: 6分
更新日:6月28日
冬キャンプが市民権を得た近年、年間を通じてキャンプを楽しまれる方も多くなってきましたが、それでもキャンプのハイシーズンは春から秋にかけてでしょう。気温が高くなるにしたがって、蚊やブヨ、アブ、ハチなどの虫たちも活発になってきます。今回は虫ではなく、キャンプで遭遇する可能性がある野生動物のお話。私がキャンプで遭遇した動物たちを紹介します。
※今回のお話はすべて水の森公園キャンプ場以外での事例です。
イノシシ
私がよく利用させていただいている仙台市西部のキャンプ場。夜中に物音を感じたためテントの外に出てみると、イノシシ(ウリ坊)の群れ・・・子どもだからなのか、警戒心はあまりないようで、しばらく眺めていても逃げることなく園地の土をほじくり返していました。イノシシは雑食性であるため、ドングリ、タケノコ、イモ、カキ、クリなどの植物や木の実、ミミズ、昆虫、カエル、ヘビなどの小動物も食します。私はその様子を眺めていましたが、近くに親イノシシもいたかもしれません。
ちなみにですが、イノシシは一夫多妻制。2歳で初産し、以降毎年平均4~5頭を出産します。オスは成長すると単独行動となりますので、子イノシシと一緒に行動するのは母イノシシとなります。
キャンプ時に遭遇した場合は、刺激をしないようにしてゆっくりと後ずさりをしながら距離を広げていくのが肝要。その際には背中を見せて急に逃げるなどはしないようにしましょう。イノシシはもともと臆病な性格であるため、とにかく刺激を与えないことです。
※現在ではサイト周りに柵が設置され、この時以降イノシシを見かけたことはありません。

アナグマ
アナグマは「クマ」と名が付いてはいるものの、クマの仲間ではなく「イタチ」の仲間。基本的には人に危害を加える生き物ではありませんが、驚かせたり、追い詰めたりすると、鋭い爪や歯で攻撃することがあります。私がアナグマと遭遇した場所は山すそにある某キャンプ場。小雨降る中、何やら動きまわっている動物の姿。ゆっくりと近づいてみると丸々したニホンアナグマでした。これはラッキーと思い、近づいて写真を撮ることができました。

タヌキ
タヌキはイヌ科に属する夜行性の雑食動物で、日本全国に広く分布しています。水の森で遭遇したことはありませんが、私がこれまで行ったことのあるキャンプ場では頻繁に目にしています。調べてみると、タヌキは単独、または家族単位で行動すると言われており、私が遭遇した時は群れでの行動でした。野生動物の気配(自然観察やキャンプなどを頻繁にしていると、そういった嗅覚?が研ぎ澄まされます。不思議ですね!) を感じてテントの外を見渡してみると、複数の個体がこちらを見つめているのがわかりました。ライトで照らすと眼の部分が光りますので、群れで何かを狙っているようです。実際に私があった被害についてですが、翌朝食べるつもりでクーラーから出して解凍していた肉(パックされていたもの)をそのまま盗られたことがあります。
タヌキに限ったことではありませんが、キャンプをする際には余った食材、残飯などはしっかりと片付けることが大事。野生動物の餌となるだけではなく、餌付けとまでは言えないものの、キャンプをしている人間のそばには食べ物がある、と動物たちに刷り込まれることとなり、その後にキャンプをする方々へも影響があります。人間と野生動物との遭遇(どちらにとっても不幸なことです)を避けるためにも十分留意いただけたらと思います。
クマ
今年に入ってからのことですが、水の森公園でクマを見かけたといった通報があり、テレビでも報道されるなど、ちょっとした騒ぎになりました。通報された方の話によると、キャンプ場エリアではなく、キャンプ場から800mほど離れた散策路でのことだそうです。管理者側としては周辺の巡回、キャンプ場利用者への注意喚起をいたしました。その後の目撃情報はありませんが、注意喚起は引き続き行ってまいります。
ここからは私が実際にクマと遭遇した時の話。私が行きつけのキャンプ場で宿泊していた時のことです。繰り返しになりますが、水の森公園キャンプ場での話ではありません。
テント内でうつらうつらと微睡んでいた時、バキバキっと枝が折れる音が数回続きました。私がテントを張っていた場所から5~6メートル離れたところにコナラの大木があったのですが、どうやらそこから発せられる音のようです。
木の根元をライトで照らしてみると、大人の腕くらいの枝が折れた状態で落下していました。頭の中で「クマ・・・」というワードが駆け巡り、どうしようかと逡巡しましたが、好奇心が勝り、樹上をライトで照らしてみると小熊が木に登っているのが確認できました。晩秋のキャンプでしたのでおそらくはコナラのドングリを目当てに上ったのでしょう。しばらくその行動を眺めていて、眠くなったのでテントに戻って再び眠りにつきました。
さて、このような状況に陥った場合、どういった行動をとるのが正解でしょうか?
クマとの距離、避難できる場所(建物や車)が近くにあるかどうかなど、ケースバイケースではありますが、私が遭遇した状況であれば、クマ(と思われる野生動物)を覚知した段階で車に逃げ込むのが正解だったように思います。※駐車場までは50mほどの距離。刺激をしないようにゆっくりと後ずさりをしながらでも移動できる距離でした。
しかしながら、いざ、そういった状況下に置かれた場合、冷静な対応がとれるかどうかは、経験や知識などにもよると思います。私の場合、過去にもクマと遭遇したことがあったので、冷静であったものの、クマの可能性がある中でそれに向けてライトを照らすといった行動は不正解。好奇心が恐怖心に勝ってしまうのはよろしくないことだと、今となって思う次第です。
このように、キャンプに限った話ではありませんが、自然の中で過ごす(遊ぶ)アクティビティーにおいては、野生動物との遭遇は時として起こるもの。動物たちもそれを積極的に望んでいるわけではありません。※何事にも例外があることはご承知おきください
野生動物との(お互い望まない)遭遇を避けるためには、食事、食材の残置はくれぐれもしないことが大事です。また、山の中にあるキャンプ場など、ロケーションによっては、私たちが野生動物のフィールドにお邪魔している、といった謙虚な気持ちを持つことも必要だと感じています。
タヌキは好奇心旺盛のため、食べることができるもの以外も持ち去ることがあります。細々したキャンプ道具なども興味の対象となることもありますので気を付けてください!
それでは、安心・安全で愉しいキャンプを!!

水の森公園キャンプ場では、たびたびカモシカが目撃されています。カモシカは国の特別天然記念物にも指定されている野生動物です。攻撃性のある生き物ではありませんので、目撃した場合、彼らが立ち去るのを見守ってあげてください。※写真のカモシカは水の森ではなく、太白山周辺で撮ったものです。
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